大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)2465 判決

主 文

原判決及び第一審判決中被告人に関する部分(但し無罪部分を除く)を

破棄する。

被告人を懲役六月及罰金二万円に処する。

右罰金を納めることができないときは金二百円を一日に換算した期間被

告人を労役場に留置する。

但し、右懲役刑については本裁判確定の日から四年間その刑の執行を猶

予する。

第一審における訴訟費用中四分の一を被告人の負担とする。

本件公訴事実中被告人が法定の除外事由がないのに連合国占領軍の発行

するドル表示軍票以外の連合国占領軍物資を所持したとの点については同被告人を

免訴する。

理 由

弁護人大野泰重の上告趣意について、

論旨第一点は単なる訴訟法違背の主張(第一審訴訟手続が刑訴三〇一条に違反し

ないことは昭和二五年(あ)第八六五号同二六年六月一日第二小法廷決定参照)、

同第二点は量刑不当又は免訴の主張であつていずれも刑訴四〇五条の上告理由にあ

たらない。

然し職権を以て調査すると、本件公訴事実中被告人が法定の除外事由がないのに

連合国占領軍の発行するドル表示軍票以外の連合国占領軍物資を所持したとの事実

(第一審判決認定の同被告人に対する第三の(一)乃至(三)及(五)の事実)即

ち、昭和二二年政令一六五号一条三条一項の罪については、昭和二七年政令一一七

号大赦令により大赦があつたので刑訴四一一条五号、四一三条但書、三三七条三号

により原判決及第一審判決中被告人に関する部分(但し無罪部分を除く)を破棄し、

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右事実について被告人を免訴する。

そこで右免訴にかゝらないその余の事実(前記第一審判決第四の(四)及び(六)

の事実)に法律を適用すると、被告人の右所為は昭和二二年政令一六五号二条三条

一項昭和二七年法律一三七号附則三条に夫々該当するので同令三条二項に従い情状

によりその所定の懲役刑及罰金刑を併科することゝし(罰金刑については軽い行為

時法による)以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、懲役刑については同四七

条本文一〇条により犯情の重い前記第一審判決判示第三の(六)の罪の懲役刑に併

合罪の加重をした刑期範囲内で、罰金刑については同四八条二項に従い各罰金の合

算額内において被告人を懲役六月及罰金二万円に処し、右罰金を完納することがで

きないときは同一八条により金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置

することゝし、なお懲役刑の執行猶予に付同二五条訴訟費用の負担に付刑訴一八一

条を適用し主文のとおり判決する。

右は全裁判官一致の意見である。

検察官 竹原精太郎関与。

昭和二八年一月二三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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